なるべく歯を抜かない保存治療
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できる限り歯を抜かないようにする12の治療方法
歯を抜いた際にはインプラントや入れ歯などの人工物により補修を行うこととなります。ですがこのような人工物は天然歯と比べて強度も親和性も劣るものとなります。そのため天然歯をできる限り残し、抜歯を回避することが大切と考えます。当院で行っている抜歯を避けるための治療方法をご紹介致します。
① マイクロスコープ精密根管治療
虫歯が重症化すると、神経や血管のある根管部分まで虫歯菌が侵入してしまうため、根管内の治療が必要となります。この治療での虫歯再発率は8割以上に上るとも言われていますが、マイクロスコープを使用し精密な治療を行うことで再発を防ぎ、歯を抜くリスクを低くすることができます。
② 根管治療時の徹底した感染防止対策
根管内を治療する際には、内部に細菌を侵入させないように注意する必要があります。それは患者様ご自身の唾液であってもです。わずかでも唾液が侵入するだけでも失敗のリスクは高いものとなってしまいます。当院では適切に唾液を吸引できるZOOというバキュームを使用し、根管内に唾液が入ってしまうことを防いでいます。
③ 薬で歯周病の改善「歯周内科」
歯周内科は、患者様の唾液から歯周病の感染源とみられる細菌の種類を調べ、それを除去するお薬を歯科医院から処方し、ご自宅で服用していただく治療法です。(厚生労働省認可)歯科医院での物理的な治療(外面治療)と併用して、抗生物質服用により体内から歯周病にアプローチするという内面治療を行うことで歯周病の改善を目指します。
④ PDT歯周病治療
PDT歯周病治療、別名:光殺菌治療とは口腔内の感染部分に光感受性物質を注入し、特定の波長の光を照射することで活性酸素を大量に発生させることで強い殺菌効果をもたらし、細菌が引き起こす様々な歯の病気に適用することのできる痛みを伴わない治療法です。特に抜歯の原因第1位である重度歯周病の原因となる歯周ポケット深くの歯周病菌の除去に有効です。
⑤ レーザーによる歯周治療
プラズマレーザー(ストリークレーザー)による歯周治療および、エルビウムレーザー(アーウィン)による歯周治療も行っております。
ともに健康な歯肉には影響を及ぼさないレーザーで、歯石の除去や、歯周殺菌に非常に強い効果を発揮します。歯周病菌との闘いとなる重度歯周病において高い効果が期待できます。
⑥ 歯周再生療法
歯垢や歯石を除去した後に、歯槽骨の合った部分に薬剤を使用します。歯周病で失ってしまった歯周組織部分の細胞や血管などの形成を促進し、各細胞へ必要な栄養を送り込んでいきます。このような仕組みにより歯槽骨を含む歯周組織の再生を促していきます。この治療で使用される薬剤は火傷や床づれなどの治療にて使用されていますので、薬事法でも認可されている安全なものとなっています。
⑦ 様々な方法による歯髄(神経)保存
虫歯治療で神経が露出してしまった際には、水酸化カルシウムを使用して歯随の保存を行っていくことが一般的ですが、この方法ではあまり成功率は高いと言えません。場合によっては神経を除去する治療が必要となることも考えられます。ですがレジンやケイ酸カルシウムの使用を中心としたMTA覆随治療であれば、成功率を高めることができます。また、プラズマレーザーとドッグベストセメントを活用した予知性の高い歯髄保存もおこなっております。
⑧ 歯根端切除術も実施
わずかなヒビ程度であれば補修をすることが一般的ですが、歯の根が折れていたり根の近くに膿が確認されるケースでは抜歯を勧められることも多いかと思います。ですが当院では根の部分を一部切除する歯根端切除術などの方法で歯の根もしくはその付近の治療も行っています。このような治療を行うことで、抜歯を回避できる可能性も高くなります。
⑨ 接着再植法による歯牙再生
これまでの治療方法では歯の根が折れてしまった際には抜歯をするのが適切と考えられていましたが、当院では接着再植法という治療を行い、抜歯を回避できる症例も多くなっています。この治療は歯牙が再生できる可能性があり、北海道大学の保存学教室の菅谷先生により治療法が確立されましたので、将来的に歯科医院で行われる一般的な治療法として浸透していくと思われます。保険適用外の治療方法となりますが、当院では10年近く前からこちらの治療を行っております。
⑩ 自分の歯で補う(自家歯牙移植)
抜歯をした部分はインプラントや入れ歯などで補修するのが通常の治療方法ですが、当院では親知らずなど別の歯の移植を提案させて頂いております。もちろん移植には条件がありますが、人工物を使用することなく咬み合わせの復活が見込めます。天然歯は人工物よりも機能面、親和性共に優れていますので、最も良い補修素材とも言えます。
⑪ エクストルージョンと外科的挺出
歯を治療後、残っている歯が歯茎よりもしたになってしまった際には、抜歯を進められるケースがほとんどでしょう。この状態では被せ物を装着する土台を作るのが難しく、仮に作れたとしてもすぐに脱落してしまう可能性も考えられます。ですが、当院ではエクストルージョンと外科的治療を行い、歯茎よりも上に歯を引き上げての治療が可能です。歯を引き上げることにより被せ物の土台も作りやすくなり、適切な装着が可能となりますので、この治療法であれば抜歯の回避も可能です。
⑫ 根本的な治療
多くの歯科治療では痛みの箇所を治すことがメインと考えられますが、当院では将来的なお口の状態を見据えてトラブルの根本を治療していくことを提案しています。お口の状態を確認し気になる点を全て治す根本治療により、自身の歯を適切に維持できるようになり、抜歯の回避につながります。歯科治療の先進技術を持つヨーロッパではこのような根本治療が浸透しており、多くの方が80歳で20本の歯を残すことに成功しています。
横浜市金沢区金沢文庫の歯科医院で保存侵襲治療はぜひ当院まで
いいだか歯科医院では保存低侵襲治療を行い、可能な限り抜歯を回避する治療を重視しています。完全に抜歯を回避できるわけではありませんが、可能な限り自身の歯を残していくためにもこのような治療法をおすすめしております。横浜市金沢区金沢文庫にて低侵襲治療をご希望の方はぜひ当院までご相談頂ければと思います。